アスリートから生成AIの開発者まで:AIシステムで現実世界の課題に取り組むインテル
オープンでアクセスしやすいAIシステムによって世界中の生成AI開発者とアスリートを支援
オープンAIシステムが個人の能力を強化
2024年7月17日、インテル、国際オリンピック委員会(IOC)、Seekr、Red Hatの代表者が集まり、このAIブームによって生まれた課題に取り組む開発者や企業を、オープンなAIエコシステムを通じてどのように支えていくかについて話し合う場が設けられました。インテル コーポレーション 上席副社長 兼 データセンター&AI事業本部 本部長のジャスティン・ホタード(Justin Hotard)がモデレーターを務めたこのイベントの参加者には、IOCアスリート部門ディレクターのカベフ・メフラビ(Kaveh Mehrabi)氏、Red Hatビジネス製品戦略担当VP 兼 ジェネラル・マネージャーのスティーブン・ヒュールズ(Steven Huels)氏、Seekr社長 兼 最高技術責任者(CTO)のロブ・クラーク(Rob Clark)氏、インテル コーポレーション副社長データセンター&AI事業本部ソフトウェア・ソリューション&エコシステム担当のビル・ピアソン(Bill Pearson)が名を連ねています。
最新情報
インテル コーポレーションは本日、国際オリンピック委員会(IOC)とのコラボレーションのほか、業界主導の生成AI(GenAI)検索拡張生成(RAG)ソリューションに関する詳細を発表しました。これらの発表は、インテル® Gaudi® AI アクセラレーターやインテル® Xeon® プロセッサーを搭載したオープンAIシステムとプラットフォームが、AIブームによって生じた課題に取り組む開発者や企業をどのように支えているかを明らかにしています。
「インテルは国際オリンピック委員会とのパートナーシップを通じて、AIを利用しやすくするための真摯に取り組んでいます。インテルはIOCと協力することで、イノベーションとクリエイティビティーを推進し、開発者と企業がオーダーメイドのAIソリューションを構築して明確な成果につなげることができる、オープンな活動の場を育成しています。インテルは協力的でオープンなエコシステムを採用することで、アスリートをサポートする方法に変革をもたらし、顧客企業とともに可能性の限界を押し広げていきたいと考えています」
Athlete365プラットフォーム上でチャットボットが動く仕組み
オリンピック競技への参加資格を得ることは、アスリートにとって始まりに過ぎません。さまざまな言語を話し異なる文化を持つ1万1,000人ものアスリートが、規則や指針を守りながら会場をスムーズに移動できるように、IOCはインテルと協力してAthlete365プラットフォームで動くチャットボット「AthleteGPT」を開発しました。インテル® Gaudi® アクセラレーターとインテル® Xeon® プロセッサーを搭載したRAGソリューション「AthleteGPT」は、アスリートからの問い合わせに対話形式で応答したり、パリのオリンピック村に滞在中もオンデマンドで情報を提供できるため、アスリートはトレーニングや競技に集中することができます。
注視すべき理由
生成AIソリューションの実装には、コスト、拡張性、精度、開発要件、プライバシーとセキュリティーといった課題が伴うものです。RAGは、企業が独自データを安全に活用しながら、AI出力のタイムリー性と信頼性を強化できるため、を極めて重要な生成AIワークロードと言えます。こうしたAIアプリケーションの品質と利便性の向上は、現在のデータ駆動型の世界では不可欠なものです。
AIプラットフォーム、オープン・スタンダード、ソフトウェアとシステムの強力なエコシステムを活かしたインテルの協働型アプローチにより、開発者は各企業のニーズに応じたカスタマイズの生成AI RAGソリューションの構築が可能になります。本日発表となったこのコラボレーションは、オープンで強力かつカスタマイズ構成が可能な、複数プロバイダー協働の生成AIソリューション提供に向けたインテルの積極的な取り組みとその勢いを強調するものです。
生成AI RAGソリューション・アーキテクチャーの仕組み:インテルでは、オープンソースの相互運用可能なソリューションを開発し、簡単にRAGを実装できるように、業界パートナーとの連携を進めています。この生成AIソリューションは、エンタープライズAI向けオープン・プラットフォーム(OPEA)を基盤に業界主導で開発され、導入後すぐに使用できる本番環境に対応したRAGソリューションです。企業のデータセンターにRAGソリューションを導入する効率的なアプローチを提供する一方で、複数のOEMシステムや業界パートナーの製品カタログからコンポーネントを統合し、高い柔軟性とカスタマイズ性を持つように設計されました。
この生成AIターンキー・ソリューションでは、OPEAベースのマイクロサービス・コンポーネントを、インテル® Xeon® プロセッサーとインテル® Gaudi® アクセラレーターを搭載するAIシステムへの導入用に設計された、拡張可能なRAGソリューションに統合しています。KubernetesやRed Hat OpenShiftなど実証済みのオーケストレーション・フレームワークとシームレスに拡張でき、標準規格のAPIにセキュリティーとシステム・テレメトリーを確立します。
- 独自プラットフォームの障壁を取り払うオープン・ソフトウェア・スタック:大規模言語モデル(LLM)開発のほぼすべてが高度な抽象化フレームワークであるPyTorchを基盤とし、インテル® Gaudi® アクセラレーターやインテル® Xeon® プロセッサーなどのテクノロジーに対応しているため、インテルのAIシステムやプラットフォーム上で開発しやすくなっています。インテルはOPEAと連携し、生成AIターンキー・ソリューションに最適化した、RAGとLLMの実装に特化したオープン・ソフトウェア・スタックを開発。PyTorch、Hugging Faceのライブラリー(TGI、TEI)、LangChain、Redis Vectorデータベースで構築しています。
- 開発者が今必要としているものを提供:OPEAは、オープンなモデル開発と多種多様なコンパイラーやツールチェーンのサポートに重点を置き、オープンソースの標準化されたモジュール型ヘテロジニアスRAGパイプラインを提供する基盤です。この基盤は、業種ごとに異なる個々のユースケースに応じた、AI統合のコンテナ化と導入を加速します。またOPEAは、テクノロジー・スタックの最前線に立ち、緻密なカスタマイズの構成が可能なフレームワークを構築することで、AIの新たな可能性を広げる手段でもあります。
インテルは生成AIターンキーと包括的なエンタープライズ向けAIスタックにより、RAG/LLMアプリケーションを導入し拡張していくうえで、企業やデータセンターに立ちはだかる課題を解決する、完全なソリューションを提供します。インテルのテクノロジーが組み込まれたAIシステムやプラットフォームと、OPEAの最適化されたソフトウェアを活用することで、企業は効率化と高速化を図りながら、AIの可能性を最大限に引き出すことができます。
次のステップ
企業が生成AIを導入して大きなビジネスの成果を得るには、増え続ける最新AIコンピュート・テクノロジーへのアクセスが直面する課題となっています。インテルは業界パートナーや顧客との戦略的協業を通じ、生成AIとRAGソリューションが加速する、AIサービスの新たな機会を創出しています。
インテルは本日、AIのセキュアで信頼性の高い発展を目指し、Google、IBMをはじめとする業界パートナーとのコラボレーションによる、新たなCoalition for Secure AI(CoSAI)の設立を発表しました。この組織は、AIの開発/導入における信頼性の確保とセキュリティーの強化を目的としています。
9月24日~25日に米国にて開催されるIntel® Innovationイベントでは、AIシステムに対するインテル独自のアプローチと、顧客やパートナーとの継続的な協力およびその取り組みについてご紹介します。
関連情報:Intel Welcomes the Coalition for Secure AI | Intel Brings AI-Platform Innovation to Life at the Olympic Games
編集者注記:Athlete365プラットフォームのチャットボットに関する説明は、このニュースの公開後2024年7月18日に編集しています。
脚注:
インテルのテクノロジーを使用するには、対応したハードウェア、ソフトウェア、またはサービスの有効化が必要となる場合があります。
絶対的なセキュリティーを提供できる製品またはコンポーネントはありません。
実際のコストや結果は異なる場合があります。
インテルは、サードパーティーのデータについて管理や監査を行っていません。ほかの情報も参考にしてデータの正確さを評価してください。