電気自動車のイノベーションを加速し大幅なコスト削減を図る、インテルの新しいSoCソリューション
電気自動車テクノロジーの効率向上を目的とした、画期的なOLEA U310 SoCが、電気自動車の設計と製造にかかるコストを引き下げます
電気自動車(EV)の価格の高さは、世界中の潜在的な購入者にとって、依然として購入をするうえでの最大の障壁の1つとなっています。1 現時点でEVは従来のガソリン車よりも製造コストが高く、その主な要因となっているのが、高額なコストを伴う先進的なバッテリーや電気モーターといったテクノロジーです。短期的な解決策としては、車両レベルで省エネ性能を上げ、既存のバッテリー技術の効率を高めることです。これには、EVステーションのインフラ統合を強化するといった手法も含まれますが、これこそ、インテル傘下のSilicon Mobilityが本日発表した、最新のOLEA U310システム・オン・チップ(SoC)によって解決できる課題です。この次世代のテクノロジーは、電気自動車(EV)の総合的なパフォーマンスを大きく引き上げ、設計と製造のプロセスを効率化し、SoCサービスを拡大して、さまざまなEVステーション・プラットフォームを横断してシームレスな運用を可能にします。
業界初となるこの最新SoCは、ハードウェアとソフトウェアを一体化した唯一の完全なソリューションであり、分散型ソフトウェアを実装した電気アーキテクチャー内の駆動力系を制御するパワートレイン領域の要件に対応するために設計されました。独自のハイブリッド・ヘテロジニアス・アーキテクチャーで構築されたOLEA 310 FPCUは、このSoC単体で、インバーター、モーター、ギアボックス、DC-DCコンバーター、オンボード・チャージャーを制御するシステム構成の標準マイクロコントローラー6個分に置き換えが可能です。OEMやティアワンサプライヤーは、OLEA 310 FPCUを採用することで、複数の多種多様な電力系統の機能をリアルタイムで同時に制御できるようになります。
部品表(BoM)のコンパクト化に加え、初期段階の数値では、現行のEVと比較して、電力効率を最大5%向上、出力は変えずにモーターのサイズを25%縮小、冷却要件を35%削減、受動部品のサイズを最大30分の1に縮小できることが示されています。車両メーカーはこの新しいSilicon Mobilityソリューションに備わる数多くのメリットによって、卓越したパフォーマンス、航続距離の伸長、製造コストの削減を可能にするソフトウェア・デファインドのEVを設計できます。なぜなら、組み込む部品が少なく済むようになるからです。また、この新しいソリューションは、インテルのオートモーティブ事業部門が展開する既存のAI対応ソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)実装用SoC製品ファミリーを拡充し、完全に電動でソフトウェア・デファインドな未来へと業界の変革を推進していくことになります。
プレスリリースの全文は、Silicon Mobilityのウェブサイト「Silicon Mobilityが新たにシングルチップソリューション「OLEA U310」を発表 高度に統合されたパワートレインの制御とエネルギー管理を実現」(英語)をご覧ください。
1 S&P Global Mobility Survey、2023年11月 - Almost half (48%) of the 7,500 respondents globally consider EV prices to be too high.